文の組み立て方 ー文法と文脈の間ー

文の組み立て方 ー文法と文脈の間ー

文の組み立ての基本パターン

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ここでは、文の組み立て方について考えてみます。
人が頭の中に思い描いている内容を表現するのが文ですが、一度に伝えることができるのは、そのうちの一部分の情報だけです。
思い描いている内容をきちんと伝えるためには、文を正確に組み立てなければいけません。

桃太郎の冒頭の場合を例に挙げて見ていきましょう。
下の絵は、「おばあさんが川で洗濯していると、大きな桃が流れてきて、おばあさんは驚きました。」という場面です。

 

 

この場面は、1枚の絵で示すことができます。
ところが、これを言葉で伝えようとすると、まず、その場面には「川」があって、そこに登場人物として「おばあさん」がいて、そのおばあさんは、「洗濯」をしていて、その川の上流から「大きな桃」が流れてきた、と順番に説明しないといけません。
読み手は、この文を読んで、書き手が思い描いているイメージを自分の頭の中に正確に再構築して、はじめて、相手の言いたいことが理解できるわけです。

頭の中のイメージは、ロボマインド・プロジェクトでは仮想世界となります。
仮想世界の状況を単語に分解し、それを順番に並べて文を生成する必要があります。
単語と単語を繋げるルールは文法です。
ただ、単語と文法が決まっても、それで生成できる文は無限に存在します。
それでは、どのようにして文を組み立てていくかについて説明します。

仮想世界を文に変換するのに、最初に、場面の説明が必要です。
場面の説明で必要なのは、「場所」「登場人物」「登場物」「時間」となります。
先ほどの桃太郎の冒頭の場面では、場所は「川」となります。
登場人物は「おばあさん」で、登場物は「桃」となります。

次に、「川」に「桃」が流れてきます。
新たに登場した「桃」です。正確に言うと、「大きな桃」です。
この「大きな」とは「桃」の「大きさ」です。
「大きさ」とは、「桃」の属性の一つです。
「具体物」には、「大きさ」や「重さ」「色」などの属性があって、その一つの「大きさ」について説明しているわけです。
ここから言えることは、登場人物、登場物を説明したら、次は、その属性について説明する段階があるということです。

ここまでは、場面に登場する「人物」や「物」の説明で、いわば、静的な状況説明となります。
そして、「洗濯しているおばあさん」のところに、「大きな桃」が流れてくるわけです。
これが「出来事」となります。
「出来事」とは、場面に登場した「人物」「物」がどのような「動作」をしたかという動的な状況説明となります。

最後に、「大きな桃」を見て、「おばあさん」は「びっくり」するわけです。
これは、認知(感情:驚き)パターンの発生となります。
この場面で言いたいのは、この「認知パターン」です。
おばあさんが「びっくり」したということです。
このことを伝えるために、どのように文を組み立てるかが、上に説明したルールというわけです。

つまり、最初に「場面」の静的状況を説明し、つぎに、動的状況である「出来事」を説明し、その出来事から導き出される、「認知パターン」を説明するという順番です。
これが、文の組み立ての基本パターンとなります。 

言いたいことが「おばあさんがびっくりした」としても、いきなり、「おばあさんがびっくりしました。」とだけ言っても、聞き手は、なんのことかさっぱりわからず、「はぁ?」となってしまいます。

言いたいことが相手に伝わるとは、自分の頭の中の仮想世界と同じものが、相手の頭の中に構築されないといけません。
そのために、仮想世界を文に変換する文組み立てのルールが存在するわけです。
相手も同じルールを持っているので、文から仮想世界を再構築でき、相手の言いたいことを理解することができるわけです。

 

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