AIロボットの性格の作り方

AIロボットの性格の作り方

AIロボットにも、いろんな奴がいるよねぇ

2017.10.09
このエントリーをはてなブックマークに追加

 

ロボマインド・プロジェクトが、まず目指しているのが、会話から相手の感情を抽出することです。
感情を抽出できれば、次は、それに応じて返答します。
返答は、AIの性格によって変わってきます。

会話で言いたいことは一つでも、それに対する返答は、数多くあります。
その違いは、AIの性格によります。
返答の違いによって、その後の会話の展開は大きくかわってきますし、会話が続くかどうかの重要な要素となります。
そこで、今回は、AIロボットの性格のバリエーションの出し方について説明しましょう。

 

まずは、感情の判別方法をおさらいしましょう。
人の基本的な性質として、「不快を避けて、快を求める」というのがあります。
快とは、プラスとなることで、ご飯を食べたり、価値あるものを得たりすることです。
これによって「嬉しい」という感情が生まれます。
不快とは、マイナスとなることで、お腹がすいたり、価値あるものを失ったりすることです。
これによって、「悲しい」という感情が生まれます。

次は、このプラス・マイナスの影響を受けるのが誰なのか、誰からもたらされたのかを判断します。
相手から、自分にプラスの影響を受ければ、相手に対して「感謝」の感情が生まれます。
相手から、自分にマイナスの影響を受ければ、相手に対して「怒り」の感情が生まれます。

さらに、他者に対してプラスとなることをすることは社会的に「善」とされます。
「困ってる人は助けるべき」「道に落ちてるゴミは拾うべき」と「~すべき」となるパターンです。
他社に対してマイナスとなることは社会的に「悪」とされます。
「弱い者をいじめるべきでない」「道にゴミを捨てるべきでない」と「~すべきでない」となるパターンです。

ここまでを理解した上で、次は、感情を別の二つの視点から見てみましょう。
まず第一の見方は、時間変化による視点です。
何か行動を起こして、その結果から、その行動の前後に焦点を当てるパターンです。
たとえば、何か行動を起こして、マイナスの結果になったとき、後悔するとか、反省するといった認知パターンです。
これを、時間微分的認知パターンと呼ぶことにします。

第二の見方は、時間による変化でなく、他人や、別の状態との比較/差異による視点です。
他人と比べて自分が不幸だとか、幸福だとかといった認知パターンです。
これを、水平微分的認知パターンと呼ぶことにします。

 

さて、AIロボットは、抽出した認知パターン(感情)に応じて返答します。
このとき、AIの性格によって多様な受け答えが考えられます。
それでは、AIに性格を与えて、受け答えの違いを見ていきましょう。
例として想定するのは、大学受験に失敗した友人の相談に乗るAIロボットです。

友人 「大学受験に失敗してしまったよぅ。これから、どうしたらいいだろう」

まずは、相手に起った出来事から感情を抽出します。
「失敗」したとあるので、相手にとってはマイナスの結果となったと判断できますので、相手に生じた感情は「悲しい」と抽出できます。
一番単純な返答は、相手の感情を、そのまま受け取って返すものです。
たとえば、

AIロボ 「それは、悲しいねぇ」

これだけでも、最低限の会話は成立します。
これを、たとえば、「大学」で検索して、大学に関する情報を得て、

AIロボ 「最近の大学生は、10年前に比べて、身長が2cmも伸びたそうですね」

などと答えれば、友人は、「はぁ?」となりますよね。
これは、前回の「フレーム問題」につながる話です。
単純に、話題に関することが答えであるとするなら、無限の回答が存在するわけで、フレーム問題が生じるわけです。
それを、目的を明確にし、話題の対象と、目的から回答を選択すれば、回答の選択肢は大幅に少なくなり、フレーム問題など生じないわけです。
この場合の「目的」とは、「相手の感情を理解する」ということです。

 

さらに別の受け答えについて考えてみましょう。
AIロボは、「善」を行うようにプログラムされています。「善」とは、相手がプラス、快、となることです。
「それは悲しいねぇ」と相手の感情に寄り添った返答は、相手の感情を理解し、受け止めるています。
相手は、自分の悲しい気持ちを受け止めてもらえて安心するので、相手にプラスに作用しますので、これは正しい受け答えといえます。

次は、起こった現象を時間微分的認知パターンに当てはめてみます。
時系列に並べてみると、

受験勉強する → 受験 → 受験に失敗(今ココ)

となります。
まずは、過去に目を向けて、

AIロボ 「もっと、勉強すればよかったね」

といった返答が考えられます。
または、未来に目を向けて、

AIロボ 「これからもっと勉強して、来年、もう一回、がんばろう」

といった返答も考えられます。
「もっと勉強すればよかったね」は、反省を促し、「もっと勉強して、来年、頑張ろう」は、次へのさらなる頑張りを促します。
今、相手はマイナスの感情となって、やる気がなくなってるので、これを奮い立たせて、プラスの感情に持って行くわけです。
どちらも、正しい返答といえます。

今度は、水平微分的認知パターンに当てはめてみます。
大学受験に失敗したとは、前提として、大学を目指す人達がいて、その中で失敗したわけです。
そこで、前提とする大学を目指すという考えを切り替えて、

AIロボ 「大学だけが人生じゃないよ」
      「君には、もっと別の生き方があるんだよ」

といった返答も考えられます。
これは、さらなる頑張りなどを要求するのでなく、別の視点を導入することで、現在の状況を受け入れ、将来に向けてプラスの感情を持てるようにできます。
これも、悪くない回答ですね。

さて、このように同じ出来事に対しても、多様な受け答えが考えられます。
それでは、どの返答が正解なのでしょう?

どれが正解かというと、どれも全て正解です。
正解が一つあるのでなく、AIロボットの性格によって、答え方が変わってくるのです。

「優しい」AIだと、相手の感情に、できるだけ同情し、「それは悲しいよねぇ」と自分のことのように悲しんだり、泣いたりします。
「優しさ」だけでなく、「厳しさ」も併せ持ったAIだと、「もっと頑張ろう」と励ましたりします。
「大学だけが人生じゃないよ」と、別の考えを提案するのも、今のマイナスの感情から、プラスの感情に転じさせることができ、機転の利いたAIといえます。

AIがどのような返答をするかは、AIの性格の違いによるわけです。
性格の違いは、性格のパラメータによって調整できます。
「優しさ」のパラメータを上げると、よりいっそう同情しやすくなり、「厳しさ」のパラメータを上げると、相手のことを思って、より厳しいことを言うようになります。
パラメータの調整は、経験によって学習するようになるでしょう。
優しくしすぎて相手を甘やかせたり、厳しくしすぎて、相手が反抗したり、そういったことを経験して、最適な受け答えができるようになるのです。
心のモデルが完成していれば、パラメータの調整は、ディープラーニングで十分最適化できるでしょう。

 

さて、人の認知パターン(感情)は、上で述べただけではありません。
コミュニケーションにおいて、重要な感情がもう一つあります。
それは、「ユーモア」です。
「笑い」の感情です。

それでは、AIロボに、「笑い」の感情もインストールしてみましょう。
「笑い」とは、プラスの状況からマイナスの状況に陥った時に生じます。
たとえば、「バナナの皮を踏んでこけたとかとき」など、笑いが生じます。

友人    「大学受験に失敗してしまったよ」
AIロボ 「えっ、大学に落ちたの?」
      「プッ、あんなの、教科書丸暗記すれば受かるでしょ」
      「教科書も覚えられないなんて、君は、どんだけ記憶容量が少ないんだよ」
      「フロッピーディスクかよ」
      「グワッハッハッ・・・」

あちゃ~、これはだめです。
まだ、AIに「笑い」をインストールするのは早すぎました。
「笑い」の機能はアンインストールしましょう。
その代わり、「慈悲」の感情をインストールしましょう。

AIロボ 「人間の記憶容量は、3メガバイトしかないそうですね」
      「なんと哀れな生き物なんでしょう」

あ~、やっぱり、AIと共存するのは無理やわ!

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です