おバカAI仕様2 笑いをコンピュータで計算する

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言葉のポテンシャルエネルギー

2018.01.14
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前回は、AIによる、笑いのオチの作り方について説明しました。
コンピュータによって、ランダムに単語を選べば、誰も思いつかない意外なオチを作れるという話です。
今回は、ランダムに言葉を選べば、何でも面白くなるのかについて検証してみます。

次の例文で考えて見ます。

お父さんが、駅まで、傘を持って迎えに来ました。

雨が降ってきたけど、中学生の娘は、今朝、傘を持って行かなかったなぁ。
そう心配したお父さんが、駅まで迎えに行ったという状況です。

この例文の「傘」を別の単語に置き換えて、どれが面白くなるか調べてみましょう。

 

1.辞書

お父さんが、駅まで、[辞書]を持って迎えに来ました。

全然、面白くないですねぇ。
普通の文です。
「辞書」を忘れたのかな?と思うだけです。
意外性は、まったくないですねぇ。

 

2.葉っぱ

お父さんが、駅まで、[葉っぱ]を持って迎えに来ました。

ちょっと、面白くなってきました。
どういう状況か、意味がわからないです。
意外性は出てきました。

「ちょと、お父さん、何持ってきてるの?」
娘さんが、怒り出すレベルです。

 

3.ほっけ

お父さんが、駅まで、[ほっけ]を持って迎えに来ました。

これは、笑えますね。

意外性は、かなりあります。
ほっけをもって駅に迎えにきたお父さんを思い浮かべると、より笑えます。

娘さんが、見て見ぬふりをして、雨の中、走って家に帰るレベルです。

正解は、「ほっけ」です。

 

それでは、解説していきましょう。

「オチ」というものは、文字通り、上から下の状況に落ちることです。
予想していた状況から、下の状況に落ちた時、笑いが生じます。

では、「上」の状況とか「下」の状況とはどういうことでしょう?
「上」の状況とは、価値が高いとか、憧れの存在です。
「下」の状況とは、価値が低かったり、見下す存在です。

これが、「笑い」の基本になります。

 

ダジャレというものがあります。
ダジャレは、言葉の発音が近い語をつなげた言葉遊びです。
発音が近いというだけで、予想していた言葉と全然違う言葉が出てきたことを面白がります。
おやじギャクというのは、ほとんどがダジャレですよね。

ダジャレには、面白いダジャレと面白くないダジャレがあります。
なぜ、面白くなったり、面白くなくなったりするのでしょう?

それは、単に、発音の近い別の語を結び付けただけになっているからです。
笑いの基本は、上から下への落下です。
単に、意外な言葉が出てきただけでは、笑いになりません。
意外性だけでなく、上から下への落下が必要なのです。

試しに、おやじギャクで検証してみましょう。
「おやじギャク」で検索して、最初に出てきたのは、これです。

アルミ缶の上にあるミカン

典型的なダジャレですよね。
「アルミ缶」と「あるミカン」と、言葉をかけてるだけです。
ミカンがあるって、普通の状況です。
落ちる要素がないので、何も面白くありません。

面白そうなおやじギャクを探しましたが、なかなかみつからず、ようやくちょっと面白いのを見つけました。

こんばん腋毛

ちょっと笑いました。
どこが面白いかというと、腋毛ですよね。
かなり下の言葉です。
「こんばんは」のあいさつから、落差が生まれたので、面白くなりましたね。

 

笑いを起こさせるには、いかに、大きく落とすかがポイントとなります。
つまり、できるだけ「下の状況の言葉」を持ってくることが重要なのです。
僕は、この「下の状況の言葉」を、「ポテンシャルエネルギーが高い言葉」と呼んでいます。
笑いとは、いかに、ポテンシャルエネルギーの高い言葉をぶつけるか、これにつきます。

それでは、ポテンシャルエネルギーの高い言葉とは、どういった言葉なのでしょう?
先ほどの例文を参考に、もう少し厳密に定義していきましょう。

 

1.「辞書」
これは面白くなかったですねぇ。
つまり、ポテンシャルエネルギーが低い語となります。

「辞書」って、難しい言葉を調べるのに使います。
辞書からイメージする状況とは、勉強とか、研究とか、教授とか、そんなイメージです。
勉強とか、研究とか、価値が高いものなので、ポテンシャルエネルギーが低くなるのです。
こういった言葉は、笑いには結び付きません。

 

2.「葉っぱ」
これは、ちょっと笑えますよね。
まず、価値が低いですよね。
道に落ちてます。無料(ただ)です。
では、ただよりポテンシャルエネルギーが高い言葉とは、いったい何でしょうか?

 

それは、3.「ほっけ」です。

ためしに、「ほっけ」と口に出して言ってみてください。
それだけで、ニヤけてしまいますよね。
いかに、「ほっけ」が、ポテンシャルエネルギーが高い言葉かわかるでしょう。

次回は、「ほっけ」がなぜ、ポテンシャルエネルギーが高いかについて、その謎に迫っていきます。

 

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