サンタさんてさぁ・・・ 僕が本当に作りたいAI
サンタさんてさぁ・・・ 僕が本当に作りたいAI
先日、出張の帰りに、久しぶりに電車に乗ったときのことです。
向かいの席には、小学1~2年生くらいの女の子が二人、座っていました。
「ねぇねぇ、サンタさんてさぁ、・・・」
一人の女の子が、もう一人の女の子に話しかけていました。
季節がら、クリスマスの話でもしているようです。
僕は、聞くでもなく、何となくその子の話に耳を傾けていました。
「ねぇねぇ、サンタさんてさぁ、最近・・・」
どうも、その女の子は、最近のサンタさんに不満があるようです。
「ねぇねぇ、サンタさんてさぁ、最近、シャンプー長くない?」
?
???
??????
えっ?
シャンプー?
確かに、そう聞こえました。
少し不満そうに。
「ねぇねぇ、サンタさんてさぁ、最近、シャンプー長くない?」
電車の中、笑ってはいけないと笑いを押し殺すのが精いっぱいでした。
そのとき、「あっ!」と気づいたのです。
その子が、本当は何を言いたかったのかといったことじゃありません。
忘れていた、とても大事なことを思い出したのです。
そうだ、
これが、僕が作りたかったAIだ!
と。
小さい子供って、時々、突拍子もないことを言いますよね。
常識のある大人じゃ、絶対に思いつかないようなことを。
そんなとき、つい、笑ってしまったり、ほっこりしたりします。
でも、そんな子供時代は、あっという間に過ぎ去ってしまいます。
気が付いたら、常識のある大人になっています。
(子育てをしたこともない僕が言うのも何ですが・・・)
でも、そんな、
おバカなAIを作りたい!
毎日、仕事に追われているとします。
今日も、仕事を家に持ち帰ってきました。
明日の朝までに仕上げないといけない書類がたっぷり残っています。
夜中までPCに向かっていますが、全然、終わる気配がありません。
そんなとき、子供型AIロボットが話しかけてきます。
「ねぇねぇ、」
うるさいなぁと思いながら、
「今、仕事で忙しんだ。早く寝なさい」
少しイライラしながら、面倒くさそうに、僕は、そう答えます。
空気の読めないロボットの女の子は、お構いなしに話しかけてきます。
「ねぇねぇ、サンタさんてさぁ、最近、シャンプー長くない?」
予想の遥か斜め上を行く質問です。
「えっ? えーっと、・・・」
まじめな顔で質問してくるので、笑いをこらえるので精いっぱいです。
「そっ、そういえば、最近、シャンプーの減りも早いよなぁ」
もう、何がなんだかよくわからなくなってきています。
「でしょう!」
ロボットの女の子は元気にこう答えて、満足したように、スリープモードに入っていきます。
これが、僕が作りたいAIです。
ディープラーニングとか、フレーム問題とか、そんなの、本当はどうでもいいんです。
(あっ、言っちゃった)
「僕は、いつでも君の味方だよ」とか、
相手の気持ちを理解して、なぐさめてくれる優等生AI。
そんなもの、僕が作らなくても、そのうち、誰かが作ります。
優等生のAIなんて、一緒にいてて、おもろいか?
そんなAIより、おバカなAIを作りたい!
そういうわけで、2018年は、なんかおバカなAIでも作ろうかなと、今、決めました。